スーザン マクブライト
Susan McBRIDE著

マギー・ライアン(Maggie Ryan) シリーズ
And Then She Was Gone
Overkill2005/07/12更新

Debutante Dropout Mystery シリーズ
Blue Blood
The Good Girl's Guide to Murder

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マギー・ライアン(Maggie Ryan) シリーズ

And Then She Was Gone (1999)

閑静な住宅街の公園から、青い目金髪ふわふわ巻き毛の少女(4才)がこつぜんと消えた。
昼の日中、同伴した母親も、そこにいた人たちも、まったく気がつかないうちの出来事。
誘拐?
性犯罪?
マギー警部は昔のトラウマになやまされながら、少女も行方を追う。

捜査に非協力的なティーンエイジャーの兄、素行が今ひとつ明確でない父、
ペットの虐殺が続いた町内。
そう遠くもない町で、同じような外見の男の子がひとり、二週間前に行方不明になっていた。
白昼の公園で、一体何があったのか。

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こういう事件は嫌なもので、通販で買ってしまってから後悔したけれど、
マギーの視点が人間的で、ついつい読んでしまった。
お笑いなし、横道なし、二十九才のマギーの真摯な視線が事件を一直線に追う。
半分ヤングアダルトでも通りそうな内容。
テーマがはっきりしていて、作者は児童心理か、そういう犯罪の専門の人かと思いきや、
ジャーナリストの勉強をした後いろんな仕事を点々としながら小説家を目ざした人。
堅実で確固とした姿勢がにじみ出た話でした。

Overkill (2001)

事件など起こったことのない住宅街で養護学校の送迎バスが襲撃され、運転手とその後方に乗っていた女生徒が銃撃をうけた。
逃げた犯人を追うマギー警部、
銃弾を受けた女の子の背景をさぐると、家庭の事情と、人を疑うことを知らなかった少女の姿が見えてきた。
おおらかな同僚と昔恋人に昇格しなかった知りあいと、軽口をたたき、時にははげまされながら、仕事熱心な女性警部はひたすら犯人をあげようとする。
私生活では瀕死で入院中の母親との確執、過去のトラウマ、
仕事への熱は現実逃避にもつながっていた。
なにはともあれ犯人は母親の恋人なのか、家を追いだされた父親なのか、それとも無差別な犯行なのか、
行き詰る警部の元に、匿名の電話が入った。

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疲れて泥のように眠りたいのに押しかけてくる友人、
「仕事の後に食べに行こうって言ってたじゃないか」
家から一歩も出る気力のないマギー、
昼にポテトチップスを食べたっきりだけれど食欲なんてまったくなかった。
鼻先に宅配のピザが届くまでは。

特注ピザとバーベキューチキンに弱いってどうしてこの人は知っているんだろう。

Debutante Dropout Mystery シリーズ

Blue Blood (2004)

長年会っていなかった親友がある朝早く電話をかけてきた。
「警察にいるの、家に残っている子どもの面倒を見て」

たたき起こされたのはアメリカの旧家の娘、お嬢様のアンドレア。
一人暮らしのために家をでて、Tシャツ、ジーンズと着るものにかまわず、ウェーブデザイナーとして暮らしを立てていた。
母親の希望はそれなりのところに嫁いで、娘にも社交活動にはげんもらうこと。
まさか娘があんまり気に食わない昔の友だちのために、風俗レストランにウェイトレスとしてもぐりこんで事件の真相を調べ、友人の殺人容疑を晴らそうとしているとは、
だれもが思いもしなかった。

何年も会わなかった友だちなんて、昔と違う人になっている、状況は不利、保釈もムリ、正当防衛がいいところだろう、まわりの味方は悲観的。
けれどアンドレアはこうと決めたらてこでも動かない。
レストランにはどうやら影の経営者がいるらしい。
てさぐりに内情を探るうちに、目撃者が変死。
被害者のセカンドビジネスが浮かんできた。

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本の宣伝として、ウィットに飛んだコジー、みたいなのもあったけれど、
意表をつく展開はあってもげらげらわははの明るさがなく、根底に重たいテーマが流れている。
かといってハードボイルドに進めるほどのサスペンス、ドキドキ感、アクションもなし。
そんなジャンル分けうんぬんよりもまず、お金持ちの社交ライフ、しがらみ、ゴージャスな暮らし、お嬢様暮らしのストレス、母との確執、レストランでは客とのエピソードなど、何かともう少し奥行きを感じさせるエピソードを混ぜてほしかった。
表現力はあると思うのだけれど、現実感が薄いフィクション。
この先この人はどういう話を書いていくんだろう。

The Good Girl's Guide to Murder  (2005)

同じ作者のもうひとつのシリーズを読みはじめたので、
こっちは積読状態。


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