小早川涼

高校生の頃からの歴史好きが高じて先生になった末に時代物作家。
妙に時代フェチっぽくて、惹かれる話。
将軍家斉、滝沢馬琴、田沼家、
生半可には書けない人たちが、ぞくぞく出てくるし。
登場人物も個性派ぞろい。
気の強い嫁、口応えの達者な14歳の娘、一家の家長の惣介のぽっこり出た腹も可愛いし。
嫌味あてこすりにも品がある、雪之丞も待ち遠しい。
城下の空気が満ち溢れる、ひさびさにトリップさせてくれる時代小説。


包丁人侍事件帖


将軍の料理番 (2009)
  鼻の利く鮎川惣介は、将軍の料理人。
  40人で交代制で働くだけで、格別に将軍に目をかけてもらういわれはない。いわれはないがなぜかときどきお声がかかる。
  同僚のねたみの中、幼なじみの隼人とともに、小袖の盗難事件を調べるはめになる。
  仕事の合間の調べなど、そう簡単に進むわけでもない。 それも盗難があったのは大奥である。
  まとわりつくのは京訛りの新参料理人、雪之丞。
  「間に合わせでそこそこ美味いもんをこしらえるのが、料理人の腕の見せ所ですよってなあ」
  へなへなした言葉つきとは裏腹に喧嘩を売っているようなまなざし、仏頂面。
  どうも将軍の敵方からの回し者ときく。一体何のために将軍の台所に入ってきたのか。



大奥と料理番 (2009)
   将軍の料理に毒がもられた?
   大奥でも井戸から血の湧きでたり、女が行方不明になったり。奇怪な事件が続発。
   
料理番子守り唄 (2010)
月夜の料理番 (2010)

  夫婦喧嘩の末、惣介は下男を雇う羽目になる。
  町で拾ってきた飾職人麦作、これがまたできた下男でこれがホントの拾いモノ。しかしどこかに罠があるような。

料理番 春の絆 (2011)
  義によりて 
  狸騒動
  鷽替え

    義により手は、お人柄の悪い論語読みのお師匠の話、
    狸騒動は印象的なお笑いでございました。
    鷽替えは男女悲喜こもごも。
    個人的にはひいきの雪之丞がはじめの一話目にしか出てこないのが玉に瑕。

 

この人の話の、登場人物で身内になる人たちは、誰もが個性的で、いい味あるんだよねぇ。


芝の天吉捕物帳 
 
  火消し修行中、家業の湯屋を継ぐために家にもどってきた天吉。
  父親がやっていた岡引を、同心がひきつぐように催促をしてくる。
  嫌がっていた岡引業、妹が咎人になりかけて引き受けざるをえなくなる。
 他二編。
  

  少年コミックを読んでいる感じ。
  和田はつ子さんの料理人季蔵捕物控に似た印象も受けました。
  やりたくないのに押いたてる岡引。長いものに巻かれていく弱気キャラ。トラウマあり。料理多し。
  高田郁さんの澪つくしも同じ出版社。この出版社はキャラ成長ストーリーが好きなんでしょか。
  それとも対象年齢の違う世界にわたしが迷い込んでまっただけ?
  ラノベコバルトの新刊にはついていけない年齢になってしまったのかなぁ。
  
  反面、女性キャラは女子高生を見極めたような、シビアで醒めて、口ごたえ上手。
  萌えない辛さがわたしは好き。
  と、キャラ読みした感想です。
 

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