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参考文献 林檎でダイエット動物のお医者さんおたんこナース  佐々木倫子著

少女漫画で食べるということ

双子の美人姉妹が残り物を食べようとするシーンがある。
ふたりおんなじ物を食べるより、べつべつに食べれば、食あたりを起こしたとき、
当たった理由がわかるかもしれないと、ひとりが提案した。

「林檎でダイエット」を読んだときの衝撃は今でも忘れない。
少女漫画のくせにこびない、まんがにしては写実的な絵、飾らない本音をさらす登場人物たち。
そして上の考え方は、読んでもう何年も過ぎたのに、今でも危ないげな残り物に手を出すときには、かならず胸をよぎる。

そうえいば新米看護士、「おたんこナース」も食べるシーンは妙に印象に残っている。
フツウの計算された病院食から、レストラン直送食(厚いステーキ!)、だらだらと過ごし寝たままスイカに手をのばす夏休みは太宰治と直結し、母の好物を当てる家族の口論は人生を考えさせる(?)

「動物のお医者さん」はこれまた泊りこむ学生たちの夜食と出前、おごりの現実感。
とびちったしるこ缶、雪にまみれたきりたんぽは大学生は学べと喝を入れてくれる。
食を通じてまじめに人生を教えてくれる、娯楽を超えたマンガではないか。

こんなことを考えている今頃も、きっとどこかの冷凍庫では、アイスが細菌といっしょに冷やされているに違いない。  




「母は食品添加物にはきびしい人でしたが
泥遊びのあと手を洗うとかいうことには無頓着でした

それに無計画に買い物をするので
よく古いものを食べさせてくれた」

 
動物のお医者さん17話、
 食中毒の効かない大学院生の回想より。

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