ルイス サッカー (Louis SACHAR)


Il y a un garcon dans les toilettes des filles

「穴」1999年 講談社発行  Louis SACHAR “HOLES” (1998)

無実の罪で「刑務所」か「キャンプ グリーンレイク」に行くかと選択を迫られた太っちょのスタンリー、貧しくて「キャンプ」に参加したことがなかったので、キャンプを選んだ。
バスで9時間揺られた先は、レイク(湖)も緑もない、毒トカゲの住む荒地だった。
そこでの課題は「穴を掘ること」。
雨が降らないその地では、炎天下の元、地面は乾いてかちんかちん。
現実の世界にきれいごとはない。
これもじいちゃんのじいちゃんの悪業のせい?
こんな生活がいつまで続く?
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大人も読める児童童話? YAの初歩? ファンタジー? 夢物語? ミステリ?

でもまあ、毎日各自、直径、深さとも5フィート(152.40cm)の円筒形の穴をひとつ掘らなければいけないなんて、それだけで充分ミステリではないか。

スタンリーの新生活と、回想話、優等生がひとりとしていない環境、呪われた家系、湖の恋物語、ストリート・チャイルドの話とさまざまなエピソードが交差していく。
一章一章がすっきりした短編のよう。そしてラストにはすべてがつながり大々円団。

伏線がそこらじゅうに張り巡らされているのに、前に戻って読みかえす必要がないほど挿話(伏線)がどれも鮮やか。
そしてラスト近くで「あれ?」と思いながら読み流す一文が、実は最高の輝きを持っている。


単語もそう難しくはなく、一文も短い。章も短い。話のメリハリがはっきりしていて飽きずに読める。
中学か高校のリーダーの課題にしたい本。
できれば猛暑の夏休みに、飲まず食わずに読んでみるのも。
一緒にノドを乾かせ、汗を流し、身の不運をなじり、偶然を期待し、空を眺める。
食べ物は?
それを書くとネタがばれてしまうので、書けません。

ホントに生の○○○○って、養毛剤にもなる万能薬なの?


   英語の上達法の近道は、教科書を丸々暗記することだというけれど、
   この本なら章は短いし、中学単語レベルだし、リズムはあるし、各章オチもあるから、
   暗記するならこの本かなぁ。
   



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描写が映像のようと思っていたら、本国アメリカで映画化されて2003年4月に公開されていた。
百年以上も雨ひとつ降らない荒地にあく無数の穴、山、空、映画館で見てみたい。
TVサイズは小さすぎる。

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Il y a un garcon dans les toilettes des filles”
 原題 “There's a Boy in the Girl's Bathroom” 
1987年

11才くらいの男の子の話。3年生を2年やった劣等生で、クラスではいつもひとりぼっちの嫌われ者。家ではぬいぐるみと話している。明日授業参観があるとが母親にばれて「明日は動物園に連れて行ってくれる約束だよ、朝11時はライオンにエサをやる時間だって言ってたじゃない」と、大嘘をつく。
学校では先生に「おかあさんは病気だよ。信じないならお医者さんに聞いてみな」なんて言っていたくせに。

転校生がやってきて、休み時間を一緒に過ごすようになる。
何も話さず、相手を無視してはいるものの、ふたりは親友を自称していた。
転校生に他の友だちができるまでは。
自分と一緒にいると、転校生には友だちなんて寄りつかないと思っていたのに。
自分がついた嘘から、いつの間にかまたひとりぼっちになってしまった鼻つまみ者君。

この主人公の男の子、転校生、そして女の子がひとりが学校で、新しく採用されたカウンセラーのところへ通いはじめた。
20代後半の女性カウンセラーに三人は意見をそれぞれ残していく。
正直に話すのは転校生と女の子。口ばかりでかいのは主人公。
このカウンセラーが生徒たちに大きな影響を与えはじめる。
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「穴」と違って伏線なし、風刺なし、ひねりなしの、不運続きもなし。小学生中高学年あたりを対象とした学校もの児童文学。
主人公の悪たれぶりがかわいくなくてはじめは感情移入できなかったけれど、カウンセラーと話すごとに、単なる不器用ないいやつに見えてきた。
これもカウンセリングのおかげ?






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