リンダ ラ プラント (Linda La Plante) 著

ロレイン ペイジ シリーズ

凍てついた夜 Cold Shoulder (1996)
Cold blood   (1998)
Cold Heart   (1998)

凍てついた夜 Cold Shoulder (1996)

元ルサンゼルス市警警部補。優しい夫と娘ふたりに恵まれていが、嫌なことを忘れるために飲みはじめたアルコールですべてを失う羽目になる。
アルコールのために人を殺し、職を失い、体を売り、事故にあい、身も体もぼろぼろになっていたロレインは精神病院に送られ、リハビリセンターへと行き着いた。

そこで出会った従業員女性のアパートにころがりこんだのは、ひとえに所持金がなく、アパート主の留守中に有り金さらって逃げようという魂胆からだった。
警察官であった過去は遠い昔。
ロレインは、なにより酒が飲みたかった。
そしてある日、20ドルと言う売春料で、ロレインは見知らぬ男の車に乗った。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

著者は王立国演劇学校で学び、女優として舞台、テレビで活躍した後、脚本家に。
脚本家の書いた本らしく描写が映像的で動きが細かい。
「落ちるところまで落ちた」と一言で片付けられない壮絶な暮らしをなまなましく事細かに描写し、見せ場や豪華な舞台設定を惜しげもなく提供してくる。

酒のためならなんでもしようという主人公が、どういう経緯でそうなっていったか、その後、どういう現実と向き合う羽目になったか。自分をおとしめ、立ち上がろうともしなかったのだけれど、時々表にでてしまう警察官だった姿。そこに連続殺人事件が絡み、ロレインは昔の同僚との取引で事件を追う。この展開はもう舞台、TVドラマ、映画をみているようだ。
とにかくヒロインはよくしゃべる。
こんな嘘つきはいままで見たことがない。口先で周りを言いくるめ、言い訳、言いぬけを繰り返しながらターゲットを追い立てていく。
その姿の爽快なこと。

この本を読んだら、アルコールの度を越えるということはどういうことなのか、つくづく思い知らせてくれる。
おかげで飲むにはブレーキがかかるようになったけれど、反面、バナナケーキがどうしても食べたくなったのは一体どうしてなのだろう。
死体のひとりから検出されてのが、未消化のバナナケーキだったと、話に何度も記述があるというのに。


2008/12/28




HOME 本の棚