リンダ・ハワード (Linda HOWARD)

パーティーガール
ミスターパーフェクト

To Die For
Drop Dead Gorgeous

パーティ・ガール Open Seasons (2001) 

     
大忙しの朝、シリアルですませるつもりだったのに泊り客が
「ビスケット。それとベーコンエッグ」

デイジーはベーコンをフライパンにいれ、油よけのガードをしてから、
小麦粉、油、牛乳でビスケット生地を作りはじめた。
客「缶入りのできあいをつかうと思ってた」
デイジー「そんなのないわよ」

作りながら話していると、週末の夜デイジーが
殺人現場を目撃していたことにふたりは気がついた。

   

彼氏なき歴34年目をむかえた34歳になるデイジーちゃん、(日本語ならニュアンスともども「お菊ちゃん」)冴えない人生に飽き飽きだ。大変身を遂げて、真夏に汗まみれのセックスをして、ぜったい結婚相手をみつけるんだと一大決心。
まず親との同居から一人暮らしを目指すんだ!
思ったはいいが「誰もが誰もを知っている」小さな町のこと、
大家さんから「お母さまのご意見を聞いてから貸せるか返事します」
と言われてしまう。
これが34歳、仕事持ちに言う言葉?
それでもデイジーは頭のてっぺんからつま先まで大変身、そしてワードローブも大一新!

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ちょっとつつくと真っ赤になってムキになるデイジー。
それをちょっかいかけては笑い転げるのは近所のバツイチ警察署長。
子どものケンカか君たちは。
かけあい漫才と戯言の後ろで、人身売買業の男たちがデイジーを追いはじめた。
田舎町の警察署長、むかしシカゴ、ニューヨークのSWAT(特殊部隊)で鍛えた腕がなる。
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脇役たちも小粋。
デイジーの母は元英語教師。デイジーの叔母とともに暮らしているが、
このふたりがかしましい。
デイジーの大変身のために手をつくすは、腰を振って歩くは。

トッド、ブロードウェイを経験したことのある現在古美術商。
話していると「君はボクの大事な友達だよ」と思わせてくれる天才。
デイジーの話を聞き、うなづきながらデイジーを目を惹く女に変えていく。
大変身させながら、「そんなの外見だけよ。中身は今のあなたのままでいいの」。
言う本人も外見とは違う中身を隠している。

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スリルあり、サスペンスあり、デートドラッグ警報あり、大ボケあり、人間ドラマあり。
それよりなによりデイジーが作る朝ごはんがなんとも旨そう。

ミステリとして読むと最後の展開がなんとも安易な感じもするが、
根は小心者タチの繰りひろげるドラマ、まぁこんな成りゆきも仕方ないかと。
人間ドラマは楽しませるツボをこころえた話かと。

ミスター・パーフェクト Mr Perfect (2000)

同じ会社に勤める4人のOLは毎週金曜日、食べに出ておもいっきりおしゃべりをする。
健全な時間からはじまって、九時にはお開きという健全な会食、
今回の話題は「ミスターパーフェクト」
完璧な男の条件とは何か、
おもいやりがあって、家事をしてくれて、そして。。。

女同士の気の置けない雑談が、週が開けると会社に広まっていた。
そこから地方紙に載り、全国ニュースにのり、4人は一躍時の人。
夫は逃げ、ボーイフレンドは去り、家には不審な電話がかかってくるようになると、メンバーの生活は大変り。
けれどまさか殺されるほどの反感を買うなんて、誰が予測をしただろうか。

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主人公は四人のOLのひとり。ひとり暮らしの独り者のジェーン。
話の展開も読ませるのだけれど、この本はこの主人公抜きでは語れない。
口の悪さには定評をもつこの主人公、引越し先にいる隣人は時間を問わず騒音を出し、汚い身なりでガラが悪く、ジェーンの悪い口がどんどん悪くなっていく。
プライベートではヨーロッパ旅行中の両親から猫と車を預かっていて、自分のヴァイパーは駐車場に入れられない。
この父の車が希少な車らしい。
ガレージに入ったまま、なかなか姿を現さず、読んでいる側をジリジリじらす。

To Die For (2005)


元チアリーダーのブロンド容姿端麗、名前まで軽そうなブレア嬢、バツ1、30才。
離婚の慰謝料でジムを開設、手堅くビジネスを確立していったが、ある夜ジムで死体が見つかって。

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ロマンチックミステリーが読みたかったわけで、ハレクイーンが読みたかったわけではない。
そういうときに限って、ハレークイーンに当たってしまう。

イヤな女が被害者なあたりか、
昔のBF、現警察官と焼けぼっくりに火がついて、すぐに体にも火がつくあたりか、
とってもリンダ・ハワード。
デキル主人公は狙撃されたかと思うと身を隠すために元BFの家に住みこんだり、あんなことやったりこんなことやったり。
こんなことでこの本はちゃんとミステリに展開するのだろうか。

思いながら読み通す。
読後の印象、
ミステリと言うより事件に巻き込まれたソープオペラという印象。
アメリカTVは性描写規制が厳しいと聞く。
それがなければ夜のソープオペラの原作に最適。
痴話げんかと、華麗な女系家族、媚びない女のでかい態度をいっぱい見せていただきました。

Drop Dead Gorgeous (2006)

結婚式のための買い物に、準備に追われるヒロイン、新郎が「ケーキはパン屋で買えばいい」というくらいだから女性陣が活躍せざるをえず。
二回目にしてもやるならこんなドレスを着て、こんな靴をはいてと鼻息荒く、そこに新郎からの「結婚は一ヵ月後」という段取りを考えない発言。
買い物に拍車がかかる中、人気のない駐車場でとつぜんヒロインは車にはねられそうになった。
車がヒロインに狙いをつけていることは、火を見るよりも明らかだった。
それから夜中の電話、車への悪さ、そして。

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またもや痴話げんか満載のレディースコミック、おたわむれ多し。
ミステリとしては前作から読んでいればおのずから犯人に感づくものあり。
前作あっさりネタばれなので、ミステリとしてトライしたい方は一作目からお読みください。

そうそう、巻末に前作でいやに甘そうで旨そうだったドーナツケーキの作り方が載っていた。
クリスピィィクリームドーナツを24個、ちぎってコンデンスミルクと卵とシナモンとバニラにひたしたもの。
そこにジュースも入っていたりフルーツ缶も入っていたり、ナッツもはいっていたり。
で、焼く。
それにまた砂糖でアイシングをかけたりソースをかけたりするものだから。
見ているだけで甘い。
一口だけなら試してみたい。
きっとそれだけではすまないのだけれど。

前作、怪我をしながらもヒロインがこれを作る(作らせる)シーン、やけに力が入ってたっけ。
ちなみに前回ではドーナツが48個入っていたような。

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