キャット・コロラド シリーズ カレン キエフスキー (Karen KIJEWSKI)著
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ネタばれ抵触気味なところもありますが、邦訳品切れ+重版未定、続訳未定なようなので、許してね。
カタパルト
浮遊死体 短編
焦がれる女 Katfall
デッド・エンド Alley Kat
Alley Kat Blues Tule Fog
Honky Tonk Kat
Kat Scratch Fever
Stray Kat Waltz
この本を読むと、ワインが飲みたくなる。

続編が訳されなくて数年たつ、著者も久しく次を出していない。
女私立探偵は星の数ほどいるからと、埋もれてしまうのだろうか。
確かに極端な派手さはない。けれど、辛らつなコラムを書く親友のアドバイスコラムニスト、そのコラムニストをアドバイスする主人公のキャット、主人公を言い負かす80才の育ての祖母、キャットの冷蔵庫を満たしに数百Km車を飛ばしてくるBF、その飼い犬、もろもろのキャラクターはみな個性的で、そろいもそろって情に厚い。またの登場を期待しているのですが。 
                           ☆たわごとにもたわごとあり。 ジャンプ


キャット・ウォーク 女私立探偵に気をつけろ (1996/07 福武文庫)
  Katwalk (1989 Bantam Books出版)     シェイマス賞、アンソニー賞受賞作

「友だちって、真夜中に迎えいれてくれる人のことよ」

アドバイスコラムニストの夫、サムが、20万ドルを使い込んだ。このままでは家も馬も売ることになる。キャットは大金の行方を追ってラスベガスへ飛ぶ。危ない仕事についている幼なじみと再開したり、バーでナンパされかけ、振り切ったとたんに警官にナンパ(?)されたり。いろいろあったラスベガス。不動産サギのきな臭さを漂わせながらもコトは一件落着、と思った矢先にサムが事故で死亡する。そしてキャットもトラックに跳ね上げられる。そして...

生まれて初めて死体に出くわしたのは約二十年前。それ以来、そんなこととは縁ナシだったのに、一度しか出くわしたことのなかったキャット。それがこれを契機に行く先々に血なまぐさい話がわんさと出てき、身の危険にさらされる羽目に。

カタパルト キャット・コロラド事件簿シリーズ (1997/03 福武文庫)
  Katapult (1990 Bantam Books出版)

キャットの従弟(いとこ)が刺し殺された。かなりの遺産を相続した直後らしい。まずは家出中の従妹を探すことになる。いつ家出をしたのか、理由はなんなのか。すべてが謎に包まれている。ティーンの娼婦にペースを乱されながら手探りで調査を進めるキャット。ことが明らかになるにつれ祖母や事件にかかわる人が狙われ、ある夜、キャットも何者かに殴り倒される

今回キャットの祖母が大活躍。彼女がからむと、なぜか話はソープオペラ(お笑い昼メロ)へと化していく。

浮遊死体 キャット・コロラド事件簿シリーズ (1998/01 福武文庫)
  Kat's Cradle (1991Bantam Books出版)

富豪の孫娘、21才の女性から「私の両親について調べて」との依頼がくる。「何も教えてくれないまま祖母は逝ってしまったの」
裕福で、金に糸目をつけない依頼主。本音はそんな殊勝なものではなく。嘘にまみれた一族の謎へと踏み込む羽目に。
プライベートでも結婚と仕事の選択をせまられ、その反面新しい人も現れ、キャット、大きな転機となるか。

焦がれる女 キャット・コロラド事件簿シリーズ (1998/10 福武文庫)
  Copy Kat (1992 Bantam Books出版)

キャットは小さな町で起きた強盗殺人事件の調査を引き受ける。名前をいつわり住みかを替え、新しい職につき、前回のトラウマから抜け出したかったのだ。

殺されたのは現実に多くの男を引き寄せながら、王子が現れるのを夢見ていた熟女。容疑者はその夫で、誰からも好かれていた酒場のオーナー。熟女の忘れ形見にピョコピョコ、ピョコピョコ飛び回る3才児がいた。この息子が崖から転落し...。
事件を追うキャットの前に、自分を第一に考えるあまりに屈折した人間関係が明らかになっていく。

舞台は地元住民の集まるカントリーな酒場。ジュークボックスの音楽や喧騒、煙草の煙まで漂ってきそうなのは元バーテンダーだった作者の経験のたまものか。ビール好き、酒好きには、この雰囲気がたまらない。シャンパンを山ほど抜いて、カウンターの中で飲み明かす、パーティーナイトはまた必見。 

デッド・エンド キャット・コロラド事件簿シリーズ (1998/12 福武文庫)
 Wild Kat (1994 Bantam Books出版)

一見なんの変哲もないように見えて、どこかが狂っている部屋がある。さかさに活けられた花、壁にかけられた絵の天地が逆。空っぽの鳥かご。仕事先の会社の不正を知ったばかりにアマンダは次々と脅しにあう。自宅は不法侵入され仕事先では暴行事件。それでも一途に立ち向かう。
アマンダのために調査にのりだしたキャットは、関係者の隠しもつ、癒えることのない心の傷をえぐりだすことになる。そしていつしかキャットにも、命をものともしない脅迫者の手が伸びてきた。 

Alley Kat Blues (1995 Bantam Books出版)

長距離恋愛の彼氏は最近音信不通。電話もかけてこなければ、手紙を出してもナシのつぶて。痺れを切らして飛んでいってみれば、彼のベットに裸体の女。ラスベガスで起こる連続殺人事件と、それに怯える一人の女、なにやらラスベガスはあやしげな雲行きが。

一方ホームタウンのサクラメントで出くわした車の事故。車の故障で路上に出たためひき逃げにあったという、警察の結論に母親は異議を唱える。キャットは真相を追ううちに浮かび上がる被害者の過去、人間関係、絡まるモルモン教信仰、そしていつしか執拗な嫌がらせがはじまった。  

Honky Tonk Kat (1996 Barkley Books出版)

不遇の子ども時代を送ったキャット。幼なじみの一人に一流のカントリー歌手がいる。ある日別の歌手が殺された。どうやら犯人の本当の狙いは幼なじみだったよう。犯人がつかまるまでコンサートは中止したほうがいいのか。満員の会場で突然事件が起こったら? 助けを求められたキャットだが、話は私立探偵の手に負える規模を越えていく。

Kat Scratch Fever (1997 Barkley Books出版)

何があっても自殺などしそうになかった人間が、突然みずから命を絶った。子どもの夢をかなえる慈善事業団体が絡んでいるのか? 調べてみると、他にも同じ問題を抱えている人間が次々に出てくる。そんなある日キャットの親友が調査をやめてくれと泣きついた。

これもまた、ヒトクセもフタクセもある、人間的なエピソードや登場人物にあふれている。軽い、いい加減ブン屋に注目あれ。

Stray Kat Waltz (1998 Barkley Books出版)

しょっぱなから度肝を抜かれ、立ち直れない展開に、本業の探偵業は閉業状態。それでも切羽つまった主婦からの強引な依頼に流される。しかしこの主婦、口ばかりでキャットの忠告を受け入れず、どことなく妄想気味。キャットもやる気が出ず、前半のテンポは異様に悪い。
しかし後半、思わぬからくりが明らかになってからは白熱し、前の不調を一挙に挽回。キャットをなめちゃいけないよ。

後半の盛り上がりは爽快だが、個人的には、「読まなければよかった」一冊。 キャットファンで「小説は、読者に夢を持たせるもの」と思う人にはおすすめできない。

短編
Katfall  (1990 “Sisters in Crime 3)” Barkley Books出版に収録)

昔、知り合いだった女性記者から、「今書いている記事のことで命を狙われている、今週末まで一緒にいて欲しい」と頼まれた。行く先々に同伴するキャット。しかし隙をついて犯人は記者をに人質にとる。
Alley Kat   (1992 “Sisters in Crime 5” Barkley Books出版に収録)

キャットは議員から恐喝事件についての相談を受けた。いつものように居丈高で、議員さえ鼻であしらうキャットだが、直接被害を受けた娘にほだされ、ゆすりの金の受け渡し現場に足を向けることになる。さて、事の真相は。

これは長編にもなりそうな題材。レストランではキャット、かわいいウエイトレスに変身。
Tule Fog  (1994 “The mysterious West” Harper Touch出版に収録)

− 鮮血
− ギラつく金属
− 叫ぶ声、騒ぐ声
少女の頃見た農園での記憶は何につながるのか。40年の時がたち、農園はもう人手に渡り、当時を知る人はいない。その場に居合わせただろう父は頼りにならず、依頼人の記憶を元に、キャットは真相を推理する。

過去を追う話だが、現代アメリカの大都会でのエピソードが醜い。
ちなみにTule Fog とは早朝に見られる、深く視界ゼロとなる霧のこと。 

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