ケイト ジェイコブス    Kate JACOBS http://www.katejacobs.com/

The Friday Night Knitting Club (2007)
Comfort Food (2008)



The Friday Night Knitting Club

ブロードウェイにあるウォーカー&そのむすめのニット店。火曜日から土曜日まで営業。10h〜20h。休日、閉店後はお断り。
ドアに明記はしてあるのだけれど、門戸は皆に開かれている。
閉店間際に駆け込みで来る客、わからなくなっちゃったと教えてもらいに来る客、ぶきっちょさん、
店主や72才のアニタ、朝のシフトはスタイリッシュな黒人女性が丁寧に対応してくれる。
ときには12才の娘も手を貸して。
娘の肌はカフェオレ色。この子を授かったのを知ったのはこの子の父親と別れた後だった。

店の売り上げは好調。でももっとよくできるはず。
いつも前向きで、自分のことも人のことも、あるがままの姿を受け入れる店長の周りには多くの人が集まってくる。
40代のキャリアウーマン、論文作成中の学生、有閑マダム。
キャリアウーマンは独り身だけれど子供が欲しく、学生は店に来る人々に気分を逆なでする無神経な質問を厚顔無恥に連発し、
有閑マダムはお金には困らないが配偶者との家庭は針のむしろ、キャリアも自分の足で立つ生活もない飼い殺しな生活につくづく嫌気が差している。
そんな中でアニタはつねに主人公を支え、多大な後ろ盾となっている。
誰もが上下関係もなく、いつしか気心知れた仲間になっていく。
おたがい叱咤激励したり、相談したり笑いあったり。
そして自然に店は、金曜日、皆の集まる編み物クラブとなっていた。
自分に正直に、周りの人を大切に(トラブルメーカーもいるけれど)。
クラブはいつしか結束していき、店のビデオを撮ろうよもりあがる。
その完成を前に、結束を一層強めるような事実が判明していった。


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ニューヨークのおとぎ話かと思えるほど、
質のいい人間関係を描き、誰もが自分の好きなことをめざしていく。
作者はジャーナリスト。一件の店に集まる女性たちの背景や生活、心の動きを描くドキュメンタリーのように描く。
テレビに流れるなら何時間と限られてしまうが、そこには収まりきらない物語がいくつもある。
いい人に会いたいとき、読みたい本でした。
私の中で一番存在感があったのは、黒人の母。出番は少ないけれど、彼女の息子に対する説教は、自分が説教たれられているようでした。
自分だけよければいいんじゃないんだよと。

それからもう一人、個人的に気になるのは、なにかとゆがんだ行動にでる論文作成女学生。
手先は不器用、やること強烈、言わなくてもいいことまで言ってしまい。
親近感がありすぎて、あんまりお近づきにはなりたくないけれど。

反面、男性軍がなんとなく「女性に都合がいいやさしい人たち」で固められている。
誰もが相手を尊重し、見守り、とことん主張することはせず、経済的には満たしてあげて。
遊び人の男でさえ改心してよき大人になっている。
こういう思いやりあふれる男たちは、少女漫画にしかいないかも。

なにはともあれ、夢を持って目標を持って、好きなことを仕事にしようよと、思わせてくれる話でした。

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途中名の知れた店から買ってきたラザニアが出てきて、異様にラザニアが食べたくなって作ってしまった。
高いものなのよ、おいしいでしょう、主張する登場人物に万歳。

                   2008/08/27



Comfort Food

次に読むかも。
冒頭の誕生日ケーキに関するウンチクに惹かれて購入。

                   2008/08/25




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