ケイト・ボーデン (Kate BORDEN)

シングル・ワーキングマザー 兼 無償市長、ペギー・チューナーシリーズ
Death of Tart
Death Of A Trickster
Death of a Turkey

Death of TART (2004) 

誰もが誰もを知っている小さな町は今や雪に埋もれそう。
十歳の野球小僧は考える。
どうして何もかも売り払って、フロリダに引っ越さないんだろう。

野球小僧の母は町長。
今は亡き夫のあとを継いだ役職と店で小さな町に生きる。
(町長は無給)
隣に住むのは幼なじみの女友だちとと子どもと夫。
家族ぐるみの付きあいで、なんでも相談できる仲。

"町長としての悩み"は財政難。
ボタン工場が閉鎖されて町にはこれといった産業がない。
カフェもなければ税収入は限られている。
教師に予算を、警察に新車をと言われても、
道路凍結防止の塩も買えない状態で、
いっそのことe-Bayで町ごと売りに出してしまえと言われる始末。
そこへ身なりのいい小男がやってきた。
これこそ捜し求めていた町、古き開拓時代の姿をとどめるこの姿(改築予算がない)、
ボタン工場はなによりホテルにぴったりだと言う。
こんなさびれた町に誰が泊まりに来るものか、
思っているのを他所に、開拓村再現、観光客誘致に向かっててきぱきと町長、住民を振りまわしはじめた。

この小男についてを話したいと町長にささやいた女性が行方不明となる。
それでも何事もなかったようにイベント村ははじめての夏のシーズンを迎えようとしていた。

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事件が起こっても、被害者らしき人の最後に会うはずだった人間は、
追求されない。
それどころか、警察の影が果てしなく薄い。
話は住人の過去から、二百五十年前の確執にまで広がるのだが、
雰囲気がとってもコジーで、とっても安心して読める、
絶体絶命でも緊迫感の薄いミステリでした。

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日常の食生活はサンドイッチやバーベキュー、ハンバーグやピザ、ファーストフードなど、とってもアメリカ。
友人たちを招待してのラザニア・ディナーはなんとなく冷凍モノの匂いがする。
けれどメキシコ激辛唐辛子、ハラペニョ風味のホットドックはなんだか旨げ。
それよりなにより食べる雰囲気が格別。
冷蔵庫に一缶しかないビールをタネに家に招いたりして、
誰かと和気あいあいと食べれれば、どんなものでもおいしいのです。

イベント村で再オープンするカフェでのメニューはちょっと本格的。
「ホームメイド・クラムチャウダー、オーブンローストチキン、ニューイングランド風煮込み料理、コーンブレッド。デザートにはルバーブパイ、歯ざわりのいいアップルクリスプ、アップルブラウンベティ、チェリーコブラー」
魅力的なハイカロリーデザート達☆

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はっきり言って、タイトルで買ったのだけれど、
タルト(Tart)はとっても同音異義語でした。

Death Of A Trickster (2004)

ハロウィンのお祭りの夜、自然ゆたかな田舎町にがいこつが現れた。
なんのいたずらなのか、それとも誰かの悪意の仕業か。
子供だまし名事件はいつのまにか誘拐事件へと発展していった。


Death Of A Turkey (2005)

さびれて夏の観光がやっと財政をささえる町。秋になり、観光客は去り、感謝祭を待つばかり。主人公の市長で商店経営、シングルマザーのペギーはやっと一息ついたころ、向かいにいや〜な女と性悪なな猫が越してきた。
おまけに幼なじみの男が町に帰ってきて、ペギーに「婚約者と一緒なんだ、かーさんに言っておいてくれ」と前触れの頼みまでされ、
このかーさんが、大の息子にとってご機嫌伺いをしなければいけないほど大変、存在感溢れる女性で。

コジーらしく、被害者にうってつけな女性がそろったところで、男と婚約者が登場。
婚約者は将来の義理の母に会う前に、まずペギーの新隣人とでくわした。
新隣人は婚約者の女の子に言い放つ
「わたしの息子を殺したのはお前だ」

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とってもコジー。
ミステリとしてはサスペンス度が低く、ドキドキハラハラもない。
スリルも少ない。
そのかわり、穏やかな風が吹く、町の情景、親子関係、友人、暖かいものを全体に感じさせてくれる話だった。
雪がちらつき、暖房が途中で止まったりもしたくせに。
このシリーズはミステリのくせに、落ち着きたいときに読みたくなる。



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