ジョン・グリシャム    John GRISHAM

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スキッピング クリスマス  Skipping Christmas (2001)

一人娘は南米に行ってしまった。
残された夫婦ふたり、いつもと違う12月。
けれど町はどこへ行ってもクリスマス騒ぎ。ショッピングモールは大混雑、小物ひとつ買うにも車が止められない、近所は飾りつけに心血を注ぎ、カード屋は今年のカードの御用聞きに電話をかけてくる。
そんな中で大黒柱は気がついた。去年の出費が6100ドル(63万円以上)に上っていた!
着もしないセーター、プレゼント包装を開けられるためだけのプレゼント、クリスマス用の食料、カード、飾りつけ、パーティ用の服にカバン、靴に小物...。
今年のクリスマスは、そんなことに手を染めない。
ウチは豪華客船に乗って、クルーズに出かけるんだ!

決めたはいいが、横槍が四方八方から入ってきて。

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クリスマス脱出しました物語かと思いきや、
クリスマス脱出します。でも周りはすんなり許しません物語なのだろうか。
クリスマスは一大イベント、ツリーを飾り、通りをあげて雪だるまを屋根にのせ、家族、同僚友人でパーティ三昧。
ボーイスカウトはモミの木を売りにやってき、消防士はケーキ、警察官のカレンダーはお値段心づけ。
そんな文化の欧米人には、受けること間違いなしの、大騒ぎ皮肉り笑い飛ばし物語みたいです。
映画のように見せ場を押さえた書き方。
天真爛漫で華やかな反面、格好のつけすぎ、観客を意識しすぎ。
主人公よ、ちゃんと仕事があって五十四才といういい年をして家族もあるのに一体何をやっている、
ちぃっとど派手で極端なコメディ物語。
ジョン・グリシャムはもっとまじめなこ難しい本を書いているらしいので、この本で作者の作風を決めたらずっこけるのでしょうか。


と思って、途中で投げ出そうかとまで思っていたら、すべては最後の感動的な展開への下地でした。
三分の二、四分の三を越えるあたりで大どんでん返し、そしてラストは心しみじみと。
いやぁいい話でした。
しかし最後に出てきたあの謎の人はいったい誰だったんだろう。
もしかしたらあの人は。


 (原書、もってまわった混みいった表現もなく、単語は比較的簡単、登場人物たちの意思は単純明快、ストーリーも明快。読みやすいです)