ジェイニー シリーズ

キャロリーン B. クーニー(Caroline B. COONEY)

The Face on the Milk Carton
Whatever Happened to Janie
The Voice on the Radio

What Janie Found
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「あたしの親は実の親じゃないの!?」 シリーズ。

現在四作まででているがどれも、一冊目でさえも「これで完結」と思い込めるほど見事にまとまっている。
けれども続編はどれも、前話のスキを見事に埋めてくれる。
まとまりについては、うますぎる。

どれも「嫌な相手ならつきあうな」とは、絶対言わない作品です。

The Face on the Milk Carton 1990年 Bantam発行
学校での昼食の最中に、ジェイニーは幼い自分の写真が「尋ね人」として牛乳パックに印刷してあるのを見つけてしまう。
あたしって、お父さんお母さんの子どもじゃないの? 
お父さんお母さんは、誘拐犯?

ミステリ仕立てで、両親の書類をのぞき、屋根裏をあさり、3才の頃の記憶をたどり、フラッシュバックを分析し、遠い生家らしき先を訪ね、悩みながら落ち込みながら真実をさぐっていく。両親が好きなだけに、その辺の葛藤がせつない。それと同時に、アメリカの高校生らしく、はじめて高速道路を運転する興奮(同乗した両親は大パニック)、いつもつかず離れずの女友だち、幼なじみでカッコいいけれど成績どん底の男の子とのファーストキス、キラキラしたエピソードが進行していく。

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しまった。泣いてしまった。
「どんなに切羽詰っても、まずはメシ」一家の話、ヤングアダルト本なのに。

単語、文法は中学英語があれば筋が追える。
184ページは中学生には長いかもしれないけれど、教科書よりは格段におもしろい。
(女の子向けかも)
大人が読んでも、泣いてしまうんじゃないかな。
挿話は若いが、ジェイニーの心のゆれ具合には年の差を越えて胸を締めつけられるものがある。
シリーズ物だが、これ一冊だけで充分読み応えあり。

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補足:ジェイニー一家のモットーは「食べ物がすべてを解決する」
こんなことを言う父を、どうして誘拐犯と疑えよう。
しかし、ジェイニー一生のピンチの際、一緒に家に帰ってきて、反射的に冷蔵庫を開けてしまうボーイフレンドも可愛い。

Whatever Happened to Janie 1993年 Bantam発行
前作と同じ設定が、 まず被害者側の家族の立場で語られる。
そしてその後、ジェイニーは実の親の元で新しい生活を始める

ジェイニーは赤毛、実の父、姉、兄弟も赤毛。
赤毛は気性が激しいというけれど、それでなくても血気盛んなティーンエイジャー達、転居したその日から次から次へと物事は食い違い、思いやりはどれもすれ違っていく。
12年間よそで育ったプラス・ワンを交え、家族は確実に変わっていった。

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家族とは? 他人の中で生きるとは?
親、兄弟姉妹の葛藤が地味ではあるが、ストレートに描かれている。
そして最後のNY像は、アメリカに住む、「家出少年少女予備軍」に捧げるよう。

The Voice on the Radio 1996年 Bantam発行
いつも近くにいたBFが遠いボストンの大学寮へ入ってしまった。まだ高校生活を一年半残すジェイ二ーはウエディング雑誌をめくりながら、離れてしまった彼氏を思い焦がれている。

そのBFがある日、大学のラジオ放送で、牛乳パックエピソードを流す。マスコミに対し一切口を開かなかったジェイニー、その家族の心情。ちょっとしたトークのつもりが、いつの間にか「ジェイニー」は大反響を呼んでいた。

良心の呵責に耐えかねて、もう止めようもう止めようと思うのだが、マイクを前にすると口が勝手に動き出す。一方、見知らぬボストンで自分が「時の人」となっているとは露知らず、「明日、汽車の乗って会いに行く!!」と言い出すジェイニー。
その姉もこの大学を目指し、弟もまじえて突然ボストン奇襲に向かい...。
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ドキドキハラハラがスリラーならば、後の身の置きかたを思いめぐらすのがヤングアダルトか。
このシリーズにはいつも涙ぐまされる。

What Janie Found 2000年 Bantam発行

ジェイニーは養父のファイルを見つけた。裁判で「娘とはもう十数年連絡をとってない」と証言したのは嘘だったのか。ジェイニーは周りの反対をよそに、娘を探しだす決意を固めた。

一方、いまわしい“家”を振り捨てて遠くの大学へ進んだジェイニーの兄、彼女もでき何ごとも順調だったが、ある日いきなりFBIと出会う。動揺する兄に興味本位で質問攻めにする彼女。その好奇心を満たすかのようにジェイニーが週末、兄を訪ねて飛んできた。

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筋はミステリがかっているが、ミステリとして読むと肩透かしをくう。テーマは人間関係。人を傷つけてでもやらなければいけないことはあるのか。五人のティーンがそれぞれに悩み、葛藤しながら自分の進む道を探していく。ロッキー山脈のドライブが美しい。

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