ブランチ ホワイト シリーズ

バーバラ ニーリイ (Barbara NEELY)

怯える屋敷
ゆがんだ浜辺
Blanche Cleans Up

Blanche Passes Go
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白人家庭で家政婦をつとめるブランチ・ホワイトは40代後半の黒人女性。 芯はまっすぐですが、臆病者。可愛い、疑問を疑問のまま放っておけない40才。
料理掃除は、事件を考えるためにあるバカなふりをしていれば相手は安心するものなのよと、ポカンとした顔を見せながら、雇い主に、白人に、世の中の差別に鋭い批判の目をなげかける。

どの話も、社会にひと言ふた言、言いたいことすべて言わしてもらいます、という態度がひしひしと伝わってくると思ったら、実生活で女性の権利と労働問題についてさまざまな活動をおこない、表彰されている方だった。受けた賞のひとつが「Fighting for Women's Voices (女性の発言のために闘おう)」

そんな作者の言いたいことが、どこにでもありそうな日常のなかで、ユーモアにまみれ、時には怒りに燃えて語られている。ブランチがおこると、こわいです。

怯える屋敷 1995年5月発行 早川書房 Blanche on the Lam (1992)
 アンソニー賞、アガサ賞、マカヴィティ賞最優秀処女長篇賞 受賞
いい加減な裁判で禁固刑を食らった家政婦ブランチ、ビクビクしながら裁判所から逃亡。家政婦協会から派遣されたふりをして裕福な白人家庭に逃げ込む。ちょうどバカンスに出る一家に、流されるままについていったブランチは、その一族の“家庭の事情”に鼻を突っ込んでいった。おしゃれな主人の今の妻は甘やかされたお嬢様。ちなみに前妻は「事故死」。同居するのはアル中ばぁさんに、ゆったりとしたマムスフィールド。このマムスフィールドだけがブランチに心地よい空気をあたえてくれた。
黒人家政婦情報網が「その家に長くいてはいけない」とブランチに警告するのだが、逃亡の身に行く先もなく、そのままずるずると時を過ごすうち、遺産相続問題にまきこまれていった。

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初めて食らった禁固刑、逃走したその日に淡々と「チキンをさばき、付けあわせを料理し、ロールパンを焼き(手作り)、アップルパイを作る」ブランチの出ぎわのよさは印象的。そしてこれはブランチにとっては「簡単」なたぐいのメニューなのだ。

プロの家政婦は、冷凍食品電子レンジ解凍をいたしません。

ゆがんだ浜辺 1996年10月発行 早川書房 Blanche among the talented tenth (1994)
ブランチ・ホワイト、休暇にでる。行き先はブラックオンリーの高級リゾート地。ここのパンフがすでにあやしい。軽い色合いの黒人しか写っていない。ブランチのような漆黒の黒人に入る余地はあるやなしや。

華やかな出会いもある一方、殺人事件や自殺騒ぎもあり。真相が見えてきたブランチは、唐突に襲われた。

全体として、黒人間の差別が目につく。伝統のない家、黒すぎる膚は受け入れられないのか。恋人の家族に拒絶され、傷つく女性にブランチは手を差し伸べる。彼女の作ったポテトサラダを「マヨネーズが多すぎる」とひとこと評価しながらも。

Blanche Cleans Up (1998) Penguin Putnam Inc
ブランチの行く先々に事件あり。今回は政治家のスキャンダルに殺人事件。

ミステリもさることながら、ブランチの身のまわりでおこる出来事にも注目あれ。親戚では妊娠騒ぎが起こり、それでなくても姪っ子甥っ子はそろそろ年頃、ブランチの心配は絶えない。気をもんでいる時には夢を見る。車に住んで生活しながら楽しそうに笑う親戚、そしてその2台先には姪っ子たちが住む夢を。

シリーズものだが、単独でもおすすめできる本。

Blanche Passes Go (2000) Penguin Putnam Inc
親友のはじめたケンタリングの仕事を手伝うために、ブランチは家政婦から足を洗う。経営に、料理に現場に、仕事は尽きない。そしてプライベートでも恋人出現し、忙しいことこの上ない。それなのにひょんなことから調査を依頼され。

この本ではずせないのは、旧友との感動の再会、恋人との対等な関係、そして父親の暴力に怯える子どもたち。ブランチは今回も、筋を通す。

これも単独で読める本。プラス、今回はブランチのデザートソースのレシピ付き。

著者の公式サイト: ポートレートがクールです。
http://www.blanchewhite.com/

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