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アメリ ノトン (アメリ− ノ−トン Amelie NOTHOMB)
   

2013年新刊

La nostalgie heureuse 勝手に邦題 なつかしの思い出 アメリ2012年にふたたび日本へ。 感想をアップしました。(このページの一番下へ))2013/08/23

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アメリ ノトン 1967年生まれ、西宮の夙川育ち。
貴族家系な方は、どこまでもノーブルな地で幼少期をお過ごしになった、
しかし、人それぞれとはよく言ったもので。 

アクが強くて書くものだけ読むと誤解されやすいのだけれど、フレンチ辞書をむさぼるように読み、フラテン語も極めた多感な文学少女の世界は半端じゃないよ。

以下4行公式サイトからの情報。

1992年、25歳で書いたデビュー作「殺人者の健康法」で注目を浴び、1999年出版の「畏れ慄いて」で作家としての地位を確固たるものとした。
平均年に3.7作書き上げてはいるのだが、出版は一年に一作のペースを守っている。
作品は音楽、劇場、映画へとも広がり、きわめて好評である。
文章も気質もただただ独特で、本人は自然に、あるがままに過ごすことを希望している。



作品: 年代順 ((アクセント記号は文字化け防止のため省略))

自伝的 一箇所での対話がメインな小説 小説
殺人者の健康法
Le Sabotage amoureux
中国七才物語
Les Combustibles  戯曲
午後四時の男
 Les Catilinaires
Peplum
(未来の古代史劇スペクタクル
愛執 Attentat
幽門 Mercure
畏れ慄いて   日本勤務記
チューブな形而上学
出生〜7才&その後の夙川
Cosmetique de l'ennemi  スリラー
Robert des noms propres
特別な女の子物語 ?
Antechrista 16才の
ブリュッセル女子大生ライフ
Biographie de la faim
中国、NY、アジアの国々、ブリュッセル、
日本、そしてふたたびブリュッセル
Acide sulfurique
現代版収容所と、監視員
Journal d'Hirondelle
失恋し狙撃者に転職した男の話 
Ni d'Eve ni d'Adam
もうひとつの「畏れ慄いて」
Le Fait du Prince
他人の人生を歩む男の話
Le Voyage d'Hiver
愛ゆえのハイジャッカー
Une Forme de Vie
イラク駐在米軍兵士とアメリ
Tuer le Pere 手品の弟子
Barbe bleue  21世紀の青ひげ
La nostalgie heureuse なつかしい思い出


作者は読者を意識して書いていないような気がする。
読み手の存在を意識して、裏をかこう、陥れよう、ひっかけようとする、そんな作意が一切見られない。
伏線を張って、読者をおどろかせよう、ミスリードしてどんでん返しだ、そういった下心が感じられない。

それでも、ひっきりなしに不意打ちをがある。
話の展開がいきなり急カーブに入る。
どうして。

この作家は、潜在意識で書いているという。
書いている次元が違うんじゃないだろうか。

だからどうなの、そんな結末でいいの?
いう声もあるだろうが、日常なんてそんなもの。
思いを切り取って、発展させていくとこうなる。
そこに見え隠れする純粋な気持ち、能天気、らんまんさ、楽天主義。
苦労も、生きるか死ぬかも、屈辱も体験してきたけれど、それもまっすぐ見つめてきた。
残虐な行為も、悲惨な展開もありはするが、それでもだれもが自分に正直で、作者に脅かされることなく、安心して読める本。

大企業のひんしゅくをかった「畏れ慄いて」
一通り既刊本を読み終わったら、自分を棚の上に据えて、もう一度読んでみたいと思っている。

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.殺人者の健康法 Hygiene de l'assassin (アメリ語り、すべてはここから始まった)
が となり、そして 
今読んでいます。


あらすじ:
作家プレテクスタ タックが余命2ヶ月と発表され、世界中の報道関係者がインタビューを試みる。
- 未発表の作品がまだ引き出しにあふれている。発表には困るまい。
起きてから寝るまで36年間書き続けてきたタック。
そしていきなり筆を折った。
死後発表の未完の作まで用意をして。

偏屈な作家にインタビュアーたちは示酸をなめさせられる。
そして四人目に現れたのが。


感想:

まず私事。
会話だけで進むラノベは好き。
けれど脚本は苦手。

この人の書く対話調の話はどちらかというと脚本で、わたしにとっては苦手なほうにはいる。
が、

デビュー作だが、その後の作品のエッセンスがあちらこちらで匂い立つ。
引き出しに未発表策があふれているのは現在のアメリの家、
寝食放って書くのも彼女。
太って身動きが不自由な人のモチーフはUne Forme de Vieに使われて、
インタビュア泣かせのこんにゃく問答はアメリ自身。
そして作家も自己陶酔。
ラストもちょっと視点の外れたそっけなさ。

かといってワンパターンな作家ではない。
内が深すぎ、というのだろうか。

なにはともあれ、いままで数作読んできたおかげで、第四のインタビュアが登場した途端に、匂い立つように雰囲気でわかる。
女王様のご登場だ。
見かけは細っちい娘っこではあるにしても。


2013/02/21

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畏れ慄いて
 Stupeur et tremblements (1999)
      ベルギー娘、ニホンの会社で働いた記



「あれはホントなの?」
この本が流行った当時、フランス人をはじめとする外国人から聞かれ、困った人の話を多々聞いた。
パリ人肉事件、オタク、宝塚音楽学校、そしてマンガ。
日本はいつも不思議で満ちて、今も昔も話題はつきない。
ついでに言うと、「あれはホントなの?」は、お元気? いい天気ですね、どうもどうも、と同じレベルの、会話の切り出しにすぎないとこっちは受けとっている。
話題はそこから夕食のメニューに曲げても一向に構わない。
それにもかかわらずここでは「畏れ慄いて」の話。

この本のせいで日本の会社が変な目でみられる、と日本は主張するならば、ベルギー人はどう応えるのだろう。
カイシャも荒唐無稽に描かれていたが、そこで働くベルギーねーちゃんのほうがもっとぶっ飛んでいる。
ソフト会社で徹夜時間を自慢する日本の若者も顔負けである。

桂米朝さんが若い頃、愛宕山の噺を教わった折りに、次のやりとりがあったそうだ。
「一ぺん実際に愛宕山に登ってみます」と言うと、「やめとき、今、山へ登ったらやれへんようになる。この話は嘘ばっかりやさかい」と言われました。

ニッポン、やめとき。あの話は嘘ばっかりや。今行ったらがっかりするで。
ボケとつっこみばっかりの本に、マジギレするんはざんないで。

読後は、週末の昼間にお茶の間で丸いちゃぶ台をはさんで、ブラウン管の落語か吉本新喜劇を見ていた気分。
 ときどきシャレにならないギャクがでてきたりして。そのたびに「これはヤラセやねんから」と自分を抑えたりして。

アメリさんにお会いすることがあれば、聞きたいことがひとつある。
ユミモトさんは、吉本興業のもじりですか。




感想その弐 あります


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Le Sabotage amoureux  (アメリ語り 中国七才物語) 勝手に邦題: 愛の破壊行為 愛あればこそ 愛しているのに


夙川を去って北京に来たアメリ。
時は天安門以前、共産党一食のころ。
けれども外人租界の小学生たちは、外界との接触よりも、学校や外国人間の内輪もめに一生懸命。
七才のアメリは近所に越してきたイタリア人のエレナに一目ぼれ。
会話は、「遊ぼう」「遊ばない」「どうして学校休んだの、病気もういいの」
よくある台詞に過ぎないが、それにまつわる動作や心情は大人の言葉で描かれている。
妙に生々しい、女の子の小学校生活。

2012/12/23

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.Les Combustibles     (燃料 戯曲)

戦時中。文学教授のアパートの居間には三脚の椅子と薪ストーブがひとつ。たきぎは尽きく、室温は外と同じ。他にあるものは金属製の本棚と、そこに詰まる本。
助手と避難してきた女学生は同じベットに寝るしかない。
この寒さをどうしのぐ?
最後まで残す本はどれだ。

 父に捧ぐ、とある。
 こういうのを捧げられるお父様ってどういう方なのだろう。



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.午後四時の男 Les Catilinaires     
   
   
元教師夫妻が退職後、小さな村に引っ越してきた。
住み心地よく、第二の人生が夢のようにはじまる。
大雪になる前に買出しも済ませ、すべてがうまく回っている。
そんな日の午後四時に、隣人の医者が訪ねてきた。
近所づきあいの挨拶のはじまりだ。

男は四時から六時まで腰を落ち着け、その翌日もやってきた。
そしてそのまた翌日も。

返事をしないと家が壊れそうなほどノックを繰り返し(それはもうノックとは言わない)
ひとりにしておくと勝手に客間から出てくる。
こちらからの質問にのみ答え、答えは主に「はい」か「いいえ」の二者択一。
奥さんの話は一切せず、ただただ一杯のコーヒーを飲みにくる。
会話の音頭はこちらがとるしかなく、客は六時になると、礼の一言もなく帰っていく。

そしてまた翌日。

感想:
招かれざる客にいらだつ主人公。
話はこのまま続くのだと思っていたら、医者と、奥様を夕食に招いたあたりから流れが変ってくる。
一種異様な愛情物語でした。

全てが主人公の思い込みだとしたら、とか、普通はもっと深読みもできる展開なのだが、
けれどこの主人公が見ると、世界はこういうものなのだと、
妙に納得させられる話。


 2013/03/27


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Peplum 古代史劇スペクタクル           (


"完全犯罪は火山を噴火させること。ポンペイの例を見よ"                    
そう語っていた女性作家は、目が覚めると五百年後に飛んでいた。
五百年後の一年前、(要は四九九年前)、ポンペイの噴火があったという。
噴火したのか、故意にさせたのか。
五百年後は資源も食糧源も衣類も様変わりをしている。
"今"や人は三つの点で判断されるようになっていた。
 知性
 性格
 容姿

作者は見事に人間失格の粋に入る。
「わたしはSF作家じゃないんだから、五百年前に帰してよ。今の世ならできるんでしょう」
主張する女性作家。
五百年後の人は耳も貸さない。
「ここまで知ったお前を帰すことはできないよ」

ふたりは人間の価値、存在理由、当時の美的意識
とうとうと論議を交わしていく。

小説家アメリ、無事に1995年に戻れるか。



2013/02/14

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幽門 Mercure                   


孤島に住む老人と若い娘。
娘は繊細で失った美貌に生きる気力もなくし、もう5年も軟禁に甘んじている。
老人は娘に愛を求めてくる。
娘は物事をなるがままに受け入れる。
ある日娘が熱を出し、町から船で看護婦が通いはじめる。
一種異様な雰囲気を嗅ぎ取った看護婦、娘の懐に入る一方、島の過去まであばきはじめた。

30年前、ここには他の女性が住んでいた。



感想:

歳に負けず旺盛な老人は、娘を大事にしながらも看護婦を娶り。
(濡れ場はなし)
そして話は、邪魔者を消して、手に手をとって逃げる二人?
それでも話は終わらない。
一種異様な話でした。



2013/03/09
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愛執 Attentat                    

ノートルダムの鐘つき男並の容姿をもつ男性が、美人に恋をする。
しかし美人にとっては男はとってもいいお友達。
職歴も学歴もない男は、容姿を武器に芸能界にのしあがる。
美人は美術系の色男に惹かれていく。
その経緯を逐一報告してくる美人。
男は美人を恋人にすることができるか。


というあらすじを、アメリが書くと内心の葛藤あり、笑いあり、乱心あり。
金沢に飛行機で飛ぶ場面があるのだけれど、これは作者の実体験も混じっているような書きっぷり。
まさか金沢のホテルでこういうことを実際に行ったとは思えないが、
「外人さん門前払い」になってもおかしくはないような記述もありました。

この話に限らず、実行できなくとも、書くのは自由、ということをつくづく思わせてくれる作家です。


2013/03/10

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チューブな形而上学 
 Metaphysique des tubes (2000) チューブのメタファー チューブ変態論、変態ホース論、わたしはもともと管だった。管娘変形す。。。。健全に妄想させるタイトルです。

奈良美智さんの表紙でジャケ買い。
買いなさいよ、なにうだうだしてんの、はっきりせんやっちゃな。買いたいんやろ、買いいや。はよせんかいな。

あなたの瞳に完敗。




生まれ故郷、夙川を中心とした幼少期の話。
神戸での幼稚園時代は人生で最高の輝きをもっていた、と語る作者。

日本で一年OLをやっていたアメリさんの幼少期は、もっとぶっとび、それでもおとなしく、いい子で、場をわきまえた従順なお子であったようで。
二才半から三才までは、まぁ普通。
一生懸命三歳の頭で考え、人が愛でるものを違う目線で観察し、お父さんの危機を忘れてプラスチックのコマに夢中になったりした、さもありなんという普通のオコチャマ。
しかし、初めの1/5。白雪姫や眠り姫は王子さまのキスで目覚める。プロストはマドレーヌで過去に向かう、そしてアメリは。

この冒頭の1/5。
ここはなんとか読んで欲しい。
ここまで自分を突き放して、ベクトルをよそに向けた自伝物語は読んだことがなかった。



感想その弐 あります







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Cosmetique de l'ennemi (2001)

(あらすじ)

題名勝手に直訳 「ポマ−ドをつけた敵」「整髪料の男」「面堂終太郎な敵」?
理由を知らされないまま、飛行機が遅れている。ビジネスマンが待合室でイライラしながら本を開く。その時居合わせた男に話しかけられた。
「せめてどのくらい遅れるとか言ってもらえるとこちらも動けるのに。その本面白いですか」
放っておいてくれ、言いたいが男は離れない。
社交辞令はいつの間にか男の身の上話になり、過去に犯した完全犯罪が打ち明けられる。
幼い頃からの犯罪から青年期、そして不意に自分の人生と重なった。
この男、オレを知っている?  
空港で声をかけてきたのは、本当に偶然なのか。


(感想)
この作者で、自伝モドキ以外の本をはじめて読む。
星新一を思わせる事務的な文体。
けれど中身は二転三転するミステリだった。
ふたりの会話で話が進み、寸劇は過去の出来事をまざまざと展開させる。
深読みがどんどん広がっていく。

ラストの一ページも、見方のひとつにしかすぎない。





ネタバレOKなら感想その参


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Robert des noms propres (2002)



さあ、物語を始めましょう、
おままごとのような若い夫婦がいます。まだ10代なんだから親に経済援助をしてもらっても当たり前、という夫婦です。
新婦はそうそうに妊婦になります。
男の子はまだ若く、赤ん坊に夢中な奥さんが気にくいません。
それでも機嫌がいいときは、男の子ならタンギィ、女の子ならジョエルと名づけよう、そんな話をします。
サッカー選手になるんだ。

いいえ、生まれる子は男の子でも女の子でも、バレエをするのよ。踊るのよ。

そんな将来話をしながらも、生まれるころにはこのカップル、まだくっついているだろうか。読みながら思っていると話はいきなり急展開。
二時間ドラマのように急展開の嵐です。
いつもと多少同じといえば、またもや変った女の子と、その変った人を頑なに支持する妄信者が現れるくらい。

バレエのために生まれてきたの、女の子も「母親」もその夢は譲らない。
けれどパリオペラ座の、エトワールの道は厳しい。
親元を離れて寄宿生活、寝ても覚めてもバレエばかり。
体重が40キロあると、もう退校の危機。
少女は母親に褒めてもらいたくて、懸命に最高峰へと登ろうとする。

ネタバレOKなら本音の感想



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Antechrista (2003) 勝手に仮題 アンチ キリスト、 不信心者、対クリスタ

読者対象:女性向き?


ブリュッセル大学にて政治学を学ぶ16才の女の子、ブランシュ。
昔から友だちがいず、勉強ばかりしていたが、同じクラスに同い年の女の子がいた。
電車で二時間かけて通っている、そのうえ駅まで遠いということもあり、火曜日は朝四時起きだという。
親は一人娘のつれてきた初めての友だちを心配して、娘の部屋に泊まりなさいという。
外交的で、学費も自分で稼ぐしっかりした友だちに親たちは大喜び。
逆に一人娘は自分の家の居心地がどんどん悪くなってきた。


(感想)

週一日のお泊りは、いつの間にか平日下宿と化した。
そして侵入者はどんどん領域を広げていく。
一人娘も張り合い、上下関係を争う小競り合いは学校のクラスメートたちも巻き込んでいく。
どうしてこんな現実味のありすぎる話をわざわざ家で読んでいるんだろう。
読みながら、侵入者の性格の悪さにムカムカ。
女性の作家が書く「性格の悪い女の子」は本当に救いようがない。
自分の欠点を見るような、気分の悪くなる本にどうして時間を割いているのか、
アメリパターンなら、敵は思い返していきなりハッピーエンドにはなるはずがない。
相手を突き落とし、ざまぁ見ろ、という展開にでもなるのだろうか、と思っていたら、
どんでん返し。

怒りを消す一番の良薬は、驚き。

読み終わっても、逆転の一瞬がまざまざと浮かぶ。
余韻とどきどきがいつまでも抜けない。
アメリ、またもや描写力ありすぎの一作。

2013/12/23
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Biographie de la faim (2004) 勝手に仮題: ウエの自伝



話はバヌアツからはじまる。
バヌアツ?
ウィキで見ると、「南太平洋にある島で、オーストラリア、ソロモン諸島、フィジー、ニューカレドニアに囲まれている。イギリス連邦加盟国。バンジージャンプの元になった成人儀式、ナゴールで有名らしい。
この島は決して飢えたことがない。
飢えたる者は大歓迎。
この地はあふれているのです。

わたしはいつも飢えていた。あれは三才の頃、
「お腹すいてるわけないじゃない。本当にお腹がすいてたら私の作ったものを食べてるはずよ」ママは言ったけれど。

三人兄妹を人に紹介していて、母がまちがえた。
「この末っ子が、パトリック」
ひらひらのワンピースを着て、長い髪をくるくるさせた三才の女の子に向かって、パトリックという男名とはなにものだ。
それも、パパの名前。

父親も、仕事がなければ台所に来る人だった。

兄弟の中でアメリはいつも特別だった。
上のふたりはカナディアンスクールに通っている。
英語というわけのわからない言語で話をしている。
わたしはすぐそこの、地元の幼稚園に通えるの。
ジ・モ・トよ。
地元で生まれた三才のベルギーっ子、おそろいの制服を着て現地校に通います。
でも朝の一時間あまりで幼稚園から抜け出したり、途中で返されたり、いろんなことが起こります。
ばっちり久保キリコのいまどきの子ども世代。


しかし日本記がメインでなく、その後中国、NY、バングラデシュ、ラオス。
飽食とは程遠い国にも渡り、大きくなっていく。
中国であたった先生は、トイレに行くと言えば足蹴にし、トイレに行かなければ足蹴にするフランス人。
けれどもニューヨークのリセはセントラルパーク前にあり、高級感に満ち溢れ、友だちにも恵まれた日々を送る。
そしてバングラデシュ。学校以外の時間を、家で姉と本ばかり読んですごした。
ああ無情、モンテクリスト伯、カフカ、そして辞書。
170センチ、32キロ、そういう時期もありました。

大学生になってのベルギー生活はカルチャーショックにあふれ、学校を出て日本に戻ってきた。
夙川の庭はサイズ以外はなにも変わってはいなかった。
西尾さんへの連絡も忘れない。
その後再度日本を離れ、そして1995年。

西尾さんの言葉は、正しい。


ざっと見れば、足元に苦労のない、少女の海外遍歴記とも取れるだろうが、フランス文学の好きな人には琴線に触れるところもあるだろう。
それから拒食症の人、自分の心の変化に戸惑う思春期の女の子に読んでもらいたい。
そして誰よりも西尾さんに伝えたい。




2012/12/08

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Acide sulfurique       現代版収容所と、監視員の話)             

とつぜん、街頭で道行く人が収拾された。
その中から醜悪で、極悪そうな人間が採用となり、善良そうな人は解放される。
そして捕虜監視人としての仕事が始まった。
収容所には捕虜がいる。名前の代わりに記号で呼ばれていた。華麗な女の子もいれば、老婆もいる。ティーンエイジャーもいる。
いたるところにビデオカメラとマイクがあり、収容所の中の模様は、あますところなく放映されていた。

見るからに反感を買う女監視人は、華麗な女の子に興味惹かれていく。

感想:

収容所の生活を悲惨に書いていくのが目的ではなく、あくまでも閉鎖された環境の中での数人の人間関係。
人間中心、肉体論抜き。

この人は状況を書き込んで人を信じさせようと仕掛けるのではなく、ひたすら心の中だけを書いていく。



2013/01/11

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Journal d'Hirondelle       

これだけ読むと、? と思う話。
でも、寝る前にこれだけ読むと、眠れない話。

とつぜんスナイパーとして採用された男。
事務的に、標的を指示され、機械的に処理していく。
非情とか、快感だとかそういう感情はまったく存在せず、ただ言われた仕事をこなしていく。

ターゲットが女だろうと美人だろうと、リボルバーの弾をぶちこむのみ。
帽子をかぶっている相手は、帽子で衝撃がどれだけ吸収されるかわからず、ちゅうちょするところはあったものの、一瞬の隙を得て仕留めた。

ある日大臣の一家の処分を依頼される。いつもと違うのは人数のほかにも、包みを取って来るように指示されたこと。
初めは簡単だった。物も簡単に見つかった。
残りのふたり、ティーンエイジャーの娘と大臣本人をまとめて見つけたとき狙撃人は目を見張った。
風呂につかっている大臣を、娘がリボルバーで脅している最中だったのだ。


(感想) 
今まで読んだアメリの中で、この話が一番怖かった。

なにが怖いか。
命を大切に、とか相手への尊重が欠けている、とか、そういうレベルの話ではない。
人の命より家に飛びこんできたツバメのほうが大事かよ、とか、そういう話でもない。

夢を見ているようだったから。

夢の中ならそうだよな。
なんだか簡単に狙撃者になれる。ターゲットを軽く狙える。飛び散るものはなにもない (ときもある)。

ただ、なぜか体が動かなかったり、他愛のないものに固執したり、そういうことがある。
何の価値もないはずなのに、夢の中では執着する。
それを追ううちに、いきなり場面が変ったり、同じ場面なのに相手がいきなり変っていたりする。

夢でどきどきした話を翌朝人に聞かせても、そのときの興奮は与えられない。
この話は、アメリの夢の話を、頭の中で追体験させられたようだ。
そして自分の中でフタをしたがっているもの、見たくないもの、欠点、過去を白昼夢として見せられる気になった。
自己の潜在意識へ、するりと道をひかれたような気になった点。

読みながらバッドトリップに入りそうになったとでも言うのだろうか。

この人の頭の中を追体験すると、ときどきとんでもないところに連れて行かれそうになる。



(2012/12/31)         

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Ni d'Eve ni d'Adam 英題 東京フィアンセ (←原題を直訳しても英語にならないため、こういう訳となったそうな)
21才のアメリ、日本の地を踏む。






アメリの王子様は白いベンツに乗ってきた。
問題は、姐さん女房は、魔女だったのです。

と、笑って読める話でもない。

どうしてもうんと言えなかった、女の子の話でした。
これがあってUne Forme de vieだとか、Le voyage d'Hiverが生まれたのかも。

かなりプライベートな話っぽく、人の日記を読むようで落ち着かなかった。
この点、外国人はきっぱりと他人事として読めるからいいなぁ。

さいごにまさに蛇足だが、この人の描写力はやっぱり違う。
富士山や雪山のくだり、佐渡の描写は太宰治の「津軽」のよう。

とまでくると言いすぎかな。
圧巻でした。


2012/12/31

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Le fait du Prince (2012)


「家で客が死んだりしたら、タクシーに押しこんで病院へ行ってもらえ。医者を呼ぶのも一手だろう。なにがあっても警察なんかに連絡するな。」
そういう忠告が前置きにあり、次にそういう状況に陥ったら、たいがいタクシーとオオモメにもめたり、医者とひと悶着したりするだろう。
しかし主人公のとった行動は。


話は常識から離れて迷走する。
行き交う人たちも現実味がない。
倒れた男のカードには尽きることのないお金が入っていて、
冷蔵庫は食べるものであふれている。
地下には際限ない量のシャンペンが氷水で冷やされており、
家の中では豪奢な暮らしが約束されている。

その後の展開は、萩尾望都まんがにでてくる、果てしのない逃避行を思い出させる。

スケールが違う。


「物語」としては え? というエンディングだが、
生きるってこういうことか、とも思える。


勝手に邦題をつけるなら、「僭主のご意向」  「世界の中心に我がいる」 「横紙破り神」。。。?
読んだあとも糸をひき、まだちょっと頭混乱中。


2012/12/12

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Le Voyage d'Hiver 冬の旅


飛行機に乗るたびに、安全チェック装置を鳴らす主人公。
今回はちょっと違う。
チェックの後にブツをそろえる。
パリ、シャルルドゴール13時30分発の飛行機で、今夜のニュースはいただきだ。
仕事先の電話が鳴り、家族もインタビューに答えるだろう。
その頃ボクはもうこの世にはいないけどね。
13h30の乗客たちと一緒にさ。
それもこれもボクの名前が悪いんだ。
親が韻だけで選んだのは、古代ギリシャの性悪評論家の名前じゃないか。


ゾイールが、十世紀の修道士/修道女夫婦の子供、アストロラーベと同名の女性と出会ったときから、愛の物語は始まった。

ゾイールは電力会社の従業員。アストロラーベとその雇用主の作家の女性アリエノールが最近町に越してきた。電気の線をつなげにいくと、アストロラーベはあっさり断る。
払えないもの。
文学的才能のある作家アリエノールは、生活能力の一切に欠ける。
食べることも着ることも、出版社とのやり取りも、筆記もすべてアストロラーベが面倒を見る。
そして印税でふたりは生活をしている。
そんなふたりのところにゾイールは頻繁に通うようになった。

もうひとつのNi d'Eve ni d'Adam



ちなみにアリエノールは優れた文芸庇護者 フランス王ルイ7世、ついで英国王ヘンリー2世と結婚し、百年戦争の遠因となった人と同名です。
題名「冬の旅」はシューベルトの歌曲から。Wiki 神崎昭伍教授訳詩


2012/12/31
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Une Forme de Vie (2010) 勝手に邦題 Life Form 日本語じゃないし。

イラク駐屯のアメリカ兵から手紙が届いた。
-イラクに八年。くだらない戦争で、もうくたくただ。ちょっとはわかってもらいたい。あなたなら理解してくれそうだから、手紙を書きました。
受けとったのはアメリ、いったいワタシに何を求めているの。
時はオバマ政権、前線兵士も引き上げが決まるまでは大変だろう。放っておくのも悪いし、とアメリは二ページ以上も考えた末に、相手の名を入れたサイン本をポストに入れた。

返事:
本をありがとう。この本をどうしたらいいんでしょうか。

アメリ(多少ムカつきながら):
さあ、どうしたらいいんでしょうね。家具がぐらつかないように敷くとか、椅子の高さの調整にも使えるし。字を読めるようになったお友だちにあげるのも一手かと。

そうしてふたりの手紙のやり取りがはじまった。
軍は食べるものには不自由しなく、体重がどんどん増えていくという。
130Kgはとおに越え、日に日に体が大きくなっていく。
いつしか郵便物の山の中、アメリは彼からの手紙を心待ちにするようになっていた。

しかし不意に話はサスペンスに変り、そしてついにたりは出会う、か?

「畏れ」の「アメリさん」の片鱗がきらりと光りすぎな本。
この作者の書くアメリさんは強烈です。



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Tuer le pere (2012)  勝手に邦題 父殺し

パリで出会ったある手品師の昔語り。
四十いくつの手品師はネバダ生まれ。父親を知らなかった。
母親の彼氏の出入りが多く、母親は相手の名前も覚えていなかったのだろう。
幼い頃から手品に傾倒し、14歳で家をだされ、年を偽って安宿暮らし。手品でチップをもらい、日銭を稼いでいた。

ある日プロの手品師にその才能腕を見込まれ、同居することになる。
三十後半の手品師と、二十代後半の彼女、それから十五才の男の子の三人暮らし。
彼女はファイアー ダンスを踊るという。
フェスティバルには子供は行けない。
子供?
十五才は彼女に、手品師よりも熱い想いを抱いているというのに。



もうちょっとつっこんだ話は感想その弐



芥川龍之介の手品師が読みたくなった。

2012/12/12


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Barbe bleue (2012)



西欧童話「青ひげ」と同題。
次々に若い嫁さんをもらってとっかえひっかえ猟奇をつくした大金持ちの話。

現代の青ひげはパリの高級住宅地に、格調高い邸宅を構えている。

部屋を貸します。

広告にこたえ、部屋を見に来たのは女性ばかり。
「そうでもしないと、本人を見られないから」居合わせた女性は話す。
部屋を借りた女性は今までに7人。だれもが失踪している。
「周知の事実で本当に借りたい人なんて来てないわ。
みんな家主を見にきただけよ」
主人公は外国人で、そんな噂は聞いたことがなかった。
本気で部屋を探している。パリの一等地で格安。借りたい。
「きっとあなたに決まるわよ。だってあなたが一番きれいだから」

そして大家は主人公に心を留めた。





感想:



身近にいる「ちょっと変った人」は、ぜんぜん変った人じゃないことに気づく本
おどろくことや、変なことがあったらきゃ〜っと怖がるのがフツウの小説。
このヒロインは、とまどいながらも同調するところは同調する。
相手を尊重するところは尊重する。
似たもの同士のカップルは歯止めが効かず、どこまでも不思議ワールドを展開していくのだろうなと、
読み進めながら考えてしまう。

アメリのヒロインはいつもツワモノ。




2012/12/01

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La nostalgie heureuse 直訳:しあわせのノスタルジー 勝手に邦訳: なつかしの思い出 


以下勝手訳:


 好きなものは何でも小説になる。私にとっては日本。五才で無理やりひきはがされ、私はひとり語りをはじめた。お話の種はすぐに尽きた。こまることしばし。なんでも知っているとずっと思っていたあの国。身も心も遠くなって月日が流れる。私は何を語れよう。

 話を作ろうとは一瞬たりとも考えなかった。すべてが勝手に動いていく。嘘に本当は混ざらない。本当が嘘のふりをすることもない。過ぎた日は音楽となり胸に残る。旋律は膨らんで語りはじめる。私は音を言葉にかえるだけ。


 - 勝手訳&現在のところこの一ページしか公開されていないので、ニュアンスが違う可能性おおいにアリ。

「恐れ慄いて」のイメージで翻訳本がでていないアメリ。
また日本で翻訳がはじまればいいのに。


元サイト:
http://www.amelie-nothomb.com/



以上2013/08/08

※※※

以下 2013/08/23

夙川で五才まで過ごしたアメリ ノトン、フランスのテレビ取材陣と共に再度日本の土を踏む。

あらすじ

テレビの取材は約一週間、カイシャの暴露本として大企業を恐れおののかせた「畏れ慄いて」から数えて、約十八年ぶりの来日。
関空から入って神戸やりアメリが育った夙川で数日、それから駆け足で福島、東京へ。
幼い頃面倒を焼いてくれた西尾さんはもう八十路。アメリが名の通った小説家になったと言うと、このちっちゃい子はまた口からでまかせを、という調子で受ける。一人暮らしならヨーロッパで一緒に暮らそうよ、というと、西欧〜!?、これから福島に行くのと言うとなんでそんな遠くに。東京は西尾さんにとって果ての果て。

そこから取材班と共に福島を訪れ、そして東京へ。
懐かしい人とも会い、昔の彼ともじっくり話す。

そしてアメリはヨーロッパへと帰路につく。

感想:

全体的には約一週間の日本滞在記。
今日はどこに行って誰と会って、懐かしい人はこうなっていて、昔通った幼稚園はこうなっていて。
炸裂したアメリワールドを期待している人にとってはあまりにもフツウの旅行記で、拍子抜けするかもしれない。
けれどフランス人にとっては関心の高いフクシマが経路に入っているし、外国人の日本観光経路として入るトウキョウ、キョウトの話も出てくる。
アメリ好きの人にとっての、"「幼少期」と「畏れ慄いて期」その後"も入っている。
まぁ年に一回定期的に出版されるアメリ・ノットンの本としては、今年はルポで行きましょう、くらいの企画なのかもしれない。

西尾さんの言動にはある程度納得する。
うちの実家でも同じ問答があるだろう。
そんな遠く行かんでもええやん。なんでこっちに帰ってけえへんの。
六甲の水で産湯につかり、西で飯米に追われてきた人にとっては、東(あずま)の国は世界の果てなのだ。
個人的にはちょっと里心。

よくある質問: おもしろかったか?

再会した人々の、そのまた周りの人のことを思うと、"面白い""面白くない"で片付ける本じゃないんじゃないの、と思ったのがひとつ。
会って、話しをしただけで、通訳さんも一緒だったし、やましいことも非常識も、なにひとつ入る余地はないのではございますが。

それを除けば読後は清涼。
たとえば旅に出る前の話。
貰った盆栽が二週間で枯れてきた。
どうしたらいい? 
盆栽をよく知っている人に相談に行くと、答えは簡単。「枯れるものは枯れます」
盆栽というのは縛られて育てられてきたのだから、生きのびれないのなら、それはそれで仕方がないでしょう。

アメリは日本に行き、懐かしい人たちと会って、ふたたびヨーロッパに帰る。
そうして彼女は日本を去る。
過去のおかげで今の自分がある。
アメリにとっては書く必要があった日記。


※※※

以下 2013/08/24

読後なんだかまとわりつく本。
今年読んだ本ではトーベ ヤンソンの誠実な詐欺師がすごかった。(感想はこちら

昨日読んだアメリ ノトン La nostalgie heureuse も、なんだかずーっとまとわりついている。 (初読の感想はこちら )
アメリは爽快に幕を下ろした。
こちらは拍手をしながらなんだかもやもや。
読み終わって一日すごしてももやもや。
一晩寝てももやもや。
その理由が今わかった。

日本は彼女にふられたのだ。

今までアメリは日本に思いを馳せてきた。
五才まで過ごした日本は、いつも彼女の中にあった。
二十代に再来日し、その経験をボケ炸裂で著作。
Stupeur et tremblementsは日本で「畏れ慄いて(おそれおののいて)」と訳され、マジギレ意見があちらこちらで上がった。
度を越した灰汁(あく)の強さはアメリの特色。
けれど、「片言日本語のかわいい外国人娘は、迎え入れてくれた日本を友好的に持ち上げなければいけない」という先入観で、本を手にとった人がいたのだろう。
反面、海外では「ニホンジン働き過ぎ」の固定観念を基盤に大ヒットとなる。映画までできた。
このお祭り騒ぎは、読んでいない日本人まで想像力を増長させる。
疑心暗鬼で怯え、小娘は黙殺されるようになった。

しかしアメリはただのポッと出の小娘ではなかったのだ。
年を経て著名な作家になっていく。
言葉を映像として立ち上げさせる文章。時として古代ギリシャやモリエールの舞台劇を匂わせる舞台設定。
そして奇天烈なラスト。
いきなり来る足払いは、どこか古典落語のサゲ(オチ)に似ている。
それも上方。

上方落語はじょんじょろりん、でお下品、と一昔前はNHKに拒否されていたんだよ。
関西人がトウキョウでカルチャーショックを受けることは、今もよくある話なんだよ。
思いをぶつけた貴方の本、陰と陽が効いていて思わず息をのんだ。
読み物として読んで、楽しかった。
そんな風に伝えたかった。
けれど、ニホン大好き、だったアメリはもう幕を下ろしてしまった。
彼女は立ち去り、これから書く作品にはもうニホンの二の字も出てこないだろう。
彼女の胸の中にあった生まれた国への片思いは、三度目の来日で昇華されてしまった。
五才の頃から育んできた、ニホンという舞台に幕を引き、次の世界に歩み去ってしまったアメリ。
足にはもちろんピンヒール。

東京の水で洗われなかったアメリに乾杯。

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長編一覧 (年は著作年) これはウィキから。

1.Hygiene de l'assassin (殺人者の健康法)     1992
2.Le Sabotage amoureux                   1993
3.Les Combustibles                       1994
4.Les Catilinaires (午後四時の男)           1995
5.Peplum                         1996
6.Attentat (愛執)                   1997
7.Mercure (幽門)                   1998
8.Stupeur et tremblements (畏れ慄いて)     1999
9.Metaphysique des tubes (チューブな形而上学) 2000
10.Cosmetique de l'ennemi               2001
11.Robert des noms propres              2002
12.Antechrista                      2003
13.Biographie de la faim                2004
14.Acide sulfurique                   2005
15.Journal d'Hirondelle                 2006
16.Ni d'Eve ni d'Adam                  2007
17.Le Fait du prince                   2008
18.Le Voyage d'Hiver                  2009.
19.Une forme de vie                   2010.
20.Tuer le pere                      2011
21.Barbe bleue                       2012
22La nostalgie heureuse                2013



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(※桂米朝コレクション1 ちくま文庫 より引用)